システム販売・技術指導

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シナジーブリーディングが導入している「IDST(マナチャイ)式濾過システム」と、それを活用した養殖技術である「ミルク式養殖システム」を、日本のエビ陸上養殖のスタンダードにするべく普及活動を行なって行きます。

これらのシステムは、高額になりがちな日本の陸上養殖設備に比較して、大変リーズナブルです。何より、海老養殖が確実に簡単に行えるのが魅力です。持続可能な陸上養殖には、このIDST(マナチャイ)式濾過システムと、ミルク式養殖システムの組み合わせが最高のソリューションになると信じています。

シナジーブリーディングでは、これらのシステムをパッケージ化して日本国内のお客様にご紹介して行きます。もちろんシステムの販売においては、タイ国の開発者や多くの専門家による手厚いサポートも提供します。

以下に日本での導入例を示します。


IDSTマナチャイ式陸上養殖システム導入例

福島県双葉郡葛尾村の海老養殖事業者HANERU葛尾様にIDST マナチャイ式陸上養殖システムを導入して頂きました。

第1フェーズとして、直径7mt(最大水量38トン) 移動組み立て可能PVC プール1基を採用。4ヶ月間の養殖で平均体重25gのバナメイエビの収穫率6割 を目指して挑戦しました。

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HANERU葛尾採⽤のPVCプール
(直径7mt 最⼤注⽔可能⽔量38トン、実質養殖⽔量20トン)
組⽴て分解が容易で耐久性に優れ、コンパクトに輸送出来て安価なPVCプール


まずは4ヶ⽉で8,000尾(400尾/⽴⽶)の収穫を⽬標に実践して頂きました。

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投⼊した稚エビは、スチャートファーム製PL10。
スチャートファームはIDST社が共同経営するタイでは評価の⾼い種苗⽣産事業者です。
投⼊した稚エビの数量は12,000尾。


IDSTマナチャイ式の陸上養殖システムで最も重要なのは濾過システムです。

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IDSTマナチャイ式養殖システムは、タイの養殖現場において⻑年研究し尽くされた実践的濾過システムです。システムに必要なものは、養殖プールの他には、

  1. 専⽤濾過タンク
  2. オリジナル濾過担体(メディア)
  3. 培養バクテリア これらを駆使することで、アンモニア(NH-4)、亜硝酸(NO-2)、硝酸塩 (NO-3)を完全に除去することも可能です。

(除去の度合いは環境や養殖密度にもよります。)

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個体のばらつきが⽣じない様に、⽇々の観察を⾏いながら養殖を継続。

⽇々の管理項⽬

  1. ⽔質管理(⽔質テスターによる1⽇⼀回の各種⽔質項⽬の検査報告)
  2. プールの清掃(バッチ式⽔循環⽅式による)
  3. 給餌量のコントロール(残餌の⾒⽅、最適なFCRの実現をめざす)

IDSTマナチャイ式の導⼊先は、毎⽇の電話、動画、メール、line等による遠隔指導を受けられ、いつでもタイの専⾨家のアドバイスを得ることが出来ます。


IDSTマナチャイ式の養殖システム導⼊から120⽇(4ヶ⽉⽬)にて、予定通りの収穫を迎えました。平均体重25g。中には卵巣の成熟した⽴派なメスも散⾒されました。

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成果と反省点と今後のポイント

エビ養殖⽬的では⽇本では初めてのIDSTマナチャイ式の導⼊でしたが、⾒事に予定期間での予定体重のエビの収穫を⾏うことが出来ました。養殖開始は外気温0度以下という時期もあり、試⾏錯誤の連続でした。

稚エビ受け⼊れ時点での外気温がマイナスであったことや、機材トラブルなどで⽔温維持が困難な状況もあり、⼀部の稚エビが凍死してしまう瞬間もありました。その為、投⼊数量(12,000尾)に対する収穫数は⽬標の6割には届かず、4割の5,000尾となりました。しかし、収穫されたエビの完成度は⾮常に⾼く、ほぼ均⼀なサイズのエビが平均体重25gという予定通りの重さで、且つ、脚や髭が全く損傷せずに完全な形で残っていました。 4ヶ⽉間に渡るデーターの蓄積により、改善点が明確になっています。初回の反省点を活かせれば、2回⽬以降には更なる収穫率の実現も可能だと予想されます。

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HANERU葛尾におけるIDSTマナチャイ式陸上養殖システムは、間違いなく機能することが実証されました。雪深い葛尾村においての成功は今後の⽇本各地での陸上養殖の可能性を証明してくれるものになりました。